2025年03月26日

スキマバイト リクルートの撤退についての一考察

リクルートがスキマバイトの「タウンワークスキマ(仮)」から撤退したというニュースを聞いて、なんでだろう?とテツ&トモの歌とともに思いました。流行ってるものを資金力を背景に後から参入してつぶすの得意なのに。

で、個人的に考察。
「タイミー」が有名なスキマバイトですが、人手不足が叫ばれる中、ウーバーイーツが2016年頃から流行り始めて、”ギグワーク”という働き方が2010年代にはかなり広まりました。
「これは商売になるな」と多くの人が目をつけてたでしょうけど、「タイミー」が抜き出ました。(なぜかは多くの人が検証してるので省略)

で、調べてみると実は「タイミー」は一番手でもなくて、今回撤退したリクルートが実はタイミーの前に「Job Quicker」というサービスを一度立ち上げて撤退するという黒歴史があったようです。
今回の「タウンワークスキマ(仮)」は2度目の黒歴史ですな。

年代を追って書くと、
 2016年1月、リクルート Job Quickerをリリース 2022年3月終了
 2018年8月 タイミー リリース
 2024年4月 リクルート「タウンワークスキマ」発表 2025年3月中止
8年以上も検討期間があったのにリクルートは何やってるんだ?という感じですね…

リクルートからの発表では、「グループにおける人材関連事業全体の戦略を改めて検討していく中で、開発優先順位の観点から『タウンワークスキマ(仮称)』の開発を中止することにした」とコメントしていますが、個人的には

 1.特許回避のコスト
 2.タイミーの売りのひとつの即日入金のリスク
 3.労働者の面接等の責任を持たない法的なリスク
 4.多くの競合がいるリスク

が主な理由じゃないかなと思います。
かなり参入リスクの大きなビジネスだと思います。(それでいてリターンは店舗からの手数料だけと小さい)

まず、1の特許の問題ですけど、例えばタイミーは2019年05出願の
特願2019-88304で
「求職者の情報や雇用条件(勤務時間や賃金など)を受け付け、求職者が応募すると契約を管理するコードを生成して両者に表示して、求職者が勤務開始時・終了時にこのコードを読み取ることで契約成立を記録し、出勤・退勤時間を記録する契約出退勤管理サーバ」
というような特許を出願しています。(他にも多数のビジネスモデル特許も)
まぁ、これを読んで元特許出願者として思ったのが、
「単なるタイムカードのサーバーじゃないのか?新規性、進歩性あるか?なんでこんなのが特許になるんだ?」
というのは置いといて、何十件もあるこの手の特許を回避したりライセンス交渉したりはかなりの手間と費用がかかることでしょう。知的財産権の裁判沙汰になることも予想されます。

2の「即日入金」ですがタイミーの売りとしてバイト代は”即日入金”というのがあります。
雇う店舗側は支払いはできるだけ先延ばしにしたいはずで、即日入金はタイミー側が建て替えているというもっぱらの噂。
私がやってたBtoBのビジネスだと、支払いサイトは60日(月末締め翌々月末払い)なんてのが普通でした。(技術屋はあまり気にしないけど)
雇われる人が店舗側とグルになってタイミーをカモにするなんていう詐欺も最近話題になってました。
でも”後発”としてはこの条件でやらないと競争力ないのでリスク覚悟でやらざるを得ない。

3の法的リスク
最終的には店舗と被雇用者の労働契約で、”マッチングしているだけなので法的責任は負わない”という立場でしょうけど、以前ベビーシッターのマッチングサービスで問題が起きたときに「マッチングサイト運営者も一定の責任を負うべき」という判決が出ていて、ベビーシッターは特殊な労働だとしても、事件が起きて裁判になれば普通の労働でもマッチングサイト運営者にも一定の法的責任を負わせられる判決が出る可能性はありえます。
というか、一般の客の立場としては店舗も仲介者も何の責任を負わない従業員がいる店はできれば避けたいですね。
スポットバイトでなくても、やめれば済んでしまうバイトとか契約社員に飲食物とか健康に関わるものとか金銭とか個人情報を扱わせるのは嫌なのに

4の競合としては
「タイミー」以外に「シェアフル(パーソル)」「LINEスキマニ」「メルカリハロ」「マッハバイト」「ネクストレベル」「ショットワークス」「ワクラク」「スキマワークス」「おてつだいネットワークス」「エリクラ」など血で血を洗うレッドオーシャンが待っています。
それでいてスポットワークの市場規模が今年度およそ650億円ぐらいの予測。順調に拡大したとしても生き残れるのは3社ぐらいのものでしょう。

なんか、ブログよりnoteにでも書くべき内容だな…
ま、いいか。書き逃げ。
posted by one-hand-engineer at 11:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月02日

アメリカ人はヒーローであってほしい

有名な「沈没船のジョーク」

世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっています。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数は足りません。 船長は、各国の乗客を海に飛び込ませるために何と言ったでしょうか?」

⁡アメリカ人:「飛び込めばヒーローになれますよ」⁡
ロシア人:「海にウォッカの瓶が流れていますよ」⁡
イタリア人:「海で美女が泳いでいますよ」⁡
フランス人:「決して海には飛び込まないでください」⁡
イギリス人:「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」⁡
ドイツ人:「規則ですので海に飛び込んでください」⁡
中国人:「美味しい食材(魚)が泳いでいますよ」⁡
日本人:「皆さんはもう飛び込みましたよ」⁡
韓国人:「日本人はもう飛び込みましたよ」

昭和生まれでアメリカの映画や文化にあこがれて育った身としては、アメリカ人には常にヒーローであってほしいものです。
posted by one-hand-engineer at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする