2014年01月29日

高次脳機能障害=失語ではない

どうも世間では高次脳機能障害=失語と思われてるフシがあるのですが、失語なんて”低次”の脳機能障害と言ってもいいくらいで高次脳機能障害はもっと厄介なものです。
普通に話せて記憶障害などが無くても感情とか意欲とか同時に複数のものに注意を払うとかの機能に障害が出るのが高次脳機能障害です(高次、低次って"脳の部位"や"難易度"ではなく"複雑さ”の意味です)

高次脳機能障害としては怒りっぽくなるとか目にしたものに反射的に行動してしまうとか感情の制御が効かなくなる脱抑制や何でもないのに笑っちゃうとか泣いちゃうとかの情動失禁とか無気力になるとか集中力が続かないとかの症状が出ることがあります。

また、高次脳機能障害の記憶障害は単純に憶えられないだけではないです。
私の場合、昔の記憶や倒れた前後の記憶もはっきりと残ってるし、以前なら1回で憶えられていたものが何回も繰り返さないと憶えられないようなところはありますけれど、病気後に始めたObjective-Cも韓国語も普通に憶えられます。
が、何気なく物を置いたのを忘れてしまうとか言われたことをすっかり忘れてしまったりすることがよくあります。(メモしておかないと忘れる)

発症直後の時期は顕著で同じ話を何度も繰り返したそうです。
本人はその話を前にした記憶が全くなかったです。

他にも、発症直後の時期は妄想と現実がごっちゃになって「この病院に前入院した時に」とか初めて入院した病院のことを話してたそうです。(その病院に前に入院して日本テレビの藤井アナウンサー似の医者に診察されてた夢を見ていた)
リアルな小人の幻もよく見てました。(現実と全く区別ができなかったです)
妄想は3ヶ月ぐらい続いてました。
その後は全く見ないので発症直後におかしな事を言ってても「あぁ、病気直後で混乱してるんだな」とあまり気にしないでいいと思います

注意障害は風呂の栓をし忘れてお湯を張ってしまうミスを3回ぐらいやってます。
文章の誤字脱字が病気前と比べて異常に多いです。
同時に複数のものに注意を払うことが難しくなってます。

年寄りの認知症と同じようなものですね。
まだらボケのような感じです。
Objective-Cの文法とか韓国語の単語とかは憶えられるのに自分のお茶碗の柄を忘れてしまったり今日の曜日のような簡単なことを間違えたりします。

あと、何かに集中してると他の音が聞こえなくなるとかも高次脳機能障害ですね。
音を聞くことに集中していると聞こえるのだけど注意が他に向いてると聞こえなくなってしまいます。(音はしているはずなのだけど認識できない)

一番ショックだったのは以前は新聞を読みながらTVの音声を聞きながら家族と会話するぐらいのことは普通にできたのに一度に一つのことしかできなくなったことですね。
「TVを見ているからうるさいから黙ってろ」と言う人の気持ちが初めてわかるようになりました。(前は周りが多少うるさくても平気でした)

病院で初めて”高次脳機能障害があります”と言われた時に本人も家族も「普通に話してるし大丈夫」と思っていたのですが、新聞の記事のひらがなの”あ”行に丸をつけるような簡単な課題の作業で漏れがひどいのを見て「障害があるな」とようやく認識できました。(最初は目が見にくいせいだけかと思ったのですが目だけじゃなく脳の認知の機能の問題でした)

怒りっぽくなった、というのも言われました。
入院中に一時帰宅した(”外泊”と呼ばれてた)時に、まだ歩けなかった(這いずってた)ので寝る時は万が一に備えて尿瓶を用意してたのですが、子どもがそれを使って「笑ってはいけない24時」の東幹久の真似(尿瓶をもってプルプルする)するのを見て「病人を馬鹿にするんじゃない」とひどく怒ったことがあります。
まぁ怒っても当然といえば当然で、後から考えても怒っていいと思うのですけど、病気前にはなかったような勢いで激しく怒ったので子どもが「怖かった」と言ってました。

性格もちょっと変わったかもしれません。
病気して人間らしくなったと複数の人から言われたのだけど、病気して丸くなったのか高次脳機能障害なのか…

あと、私はないですけど、高次脳機能障害の”脱抑制”とか”情動失禁”って本人じゃどうしようもないのですよね…
本人の意思とは無関係に感情が発生して、後から考えてもそういう感情になっても仕方ないかというような状況のことも多いので単にそういう感情が発生したのか脳機能障害のせいなのか本人にも全く区別がつかないことも多いです。
無気力なのも単に怠けてるのか脳機能障害なのか判別するのは難しいと思います…
本当に高次脳機能障害って厄介です。
普通に会話ができて特におかしな言動もなく外見は病気前と全く変わってないように見えても性格が一変してしまうこともあるようです。
まさに”見えない障害"ですね。

脳疾患後に怒りっぽくなっててもちょっと嫌なやつになってても「病気でおかしくなってるんだな」と大目に見てあげて下さい。
本人の意思ではどうにもならない脳の内部の障害で感情が発生するので本人にもうまく制御できてないと思います。
ラベル:脳梗塞
posted by one-hand-engineer at 08:40| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
前に、私にも多少あるかなと書きました。
私なりにメカニズムを調べました。
脳幹の部分は原始的な脳で、働きの中に生きていく上の最低限の記憶力などが有るそうです。
コンピューターの専門家の方に何ですが、D-RAMみたいなものだそうです。大脳にS-RAMみたいなものが有り、その都度、移し変えているみたいなのです。それで、ループ回路みたいなものができているようなのです。
D-RAMが障害されて、S-RAMで代用しているので、反応が鈍いようです。(D-RAMとS-RAMが逆かもしれません。すみません。S-RAMでなくて、EP-ROMかもしれません)
また、覚えようとすれば、記憶できますが、無意識では保持できないようです。
ずいぶん、無意識に生活しているものだな。と感じています。
私の場合は、その通りだと思います。
リハビリもそういう前提でしております。
Posted by さかどくん at 2014年01月29日 09:44
短期記憶と長期記憶の話ですね。
脳のどこの部位が損傷するかで一口に記憶障害といっても様々な症状が出ると思います。
短期記憶ができないのか長期記憶への移し替えができないのか長期記憶が消えたのか

感情とか脳の高次の機能は記憶や言語なんかよりももっと複雑でよくわかってないんじゃないかと思います

脳ってほんとに複雑なことを何気なくやってますよね
Posted by ka-ta at 2014年01月29日 10:01
ということで、この日記で言いたかったのは
失語や記憶障害なんて”低次脳機能障害”
意欲とか感情とか思考とか理性の障害が"高次脳機能障害"
高次脳機能障害は見た目でわかりにくいので許容してあげてね、ということでした
Posted by ka-ta at 2014年01月29日 10:09
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