http://one-hand-engineer.seesaa.net/article/373694841.html でも書いたけど「引退宣言」なんて全く信じてなかったので、長編の企画立ち上げようとしてることには全く驚きもありませんでした。やっぱりね、というだけ。 生きてる間は何か作りたくなるでしょう。
それより自らペンタブレットを操作して動きをつけてたのにはちょっと驚きがありました。(うまく使えなくてもどかしいのが伝わってきたけど)
75才で今まで手書きの経験がほとんど役に立たない新しいものに手を出すというのは本当に絵を動かすのが好きなんだなぁと感心。
こんな映像を見る日がくるなんて…
最初は若手のCGアニメーターに任せてたけど「なにか違う」と延々とダメ出しをくらってほんとにたいへんそうでした…
ジョブズもそうだったけど、妥協をしない人じゃないといいものは作れないんだな、と思ったのと、すごいけどこういう人の下で仕事はしたくないなぁ、と思いました。
あと印象に残ったのは今年亡くなった色彩設計の保田道世さんの動く映像と「やっちんはこう言ってた」と思い出を語っていたところ。本当に戦友のようだったんだな、と思いました。
あとは、ネットもざわついてたドワンゴの川上量生が機械学習で作ったアニメと言って顔を手足のように使ってずるずる動くCGを見せて「生命への侮辱」と言われてたところは印象に残りました。
確かに機械学習だと人間だと考えもしないような面白い(気持ち悪い)動きを作り出すこともあってテクノロジーのサンプルとしては面白いかもしれないけど、「テクノロジーが文明や人間らしさを破壊する」といったテーマをよく扱ってきた宮ア駿に見せるのにこれはないだろうという素材でした。
CAPCOMにバイオハザードシリーズにでもどうですか?と見せるのには最適だと思うけど。
私が見ても気持ち悪い映像だったから、「何を目指してこの技術を開発してるの?」という疑問は当然でてくるでしょう。
技術は何か問題を解決するものじゃないと、技術者はそういう志を持ってないととんでもないものを作りかねない、と思わせられるとても印象に残るシーンでした。
老映画監督の作品って「何でこんなの作っちゃたんだろう」ってのも多いけど、どんなものができるにしても見てみたい、というのはあります。
まぁ、”後期高齢者”だの”作ってる途中で死ぬ可能性”とか言ってたけど、まだ”終わってない”のだけは十分伝わりました。
ラベル:TV/映画