新書とかビジネス書なんて滅多に買わないのだけど、この本は面白かった。
「失敗の本質」の電機メーカー版だなぁ、責任者(経営者)が大きなミスを避けて判断を間違えたり、判断を間違えても責任はとらなくていい体質だったり、と思って読み進めていたら本文中に「お気づきの方もいると思うが、本書のモチーフは第二次世界大戦における日本敗北の原因を組織論で解き明かした「失敗の本質」である」と明記されていた。
日本の電機メーカーの敗因の一つは、日本の電機メーカーの多くが電力ファミリー、電電公社ファミリーで、電気も通信も独占市場で値上げが自由でその儲けが設備投資として電機メーカーに流れる構図だったので、家電もコンピュータも携帯も本気で儲ける努力がいらない片手間な取り組みだったのが、通信の自由化(NTTの民営化)による電電ファミリーの瓦解、電力の自由化と原発事故で東電という家長を失った電力ファミリーの瓦解が起きたという指摘。
読み物としても面白いし、元・業界の中にいた人間としても書かれている原因の分析にも非常に納得がいく。 綿密に取材してきたのだろうなぁ…
本書では、”恐竜は絶滅し、哺乳類が誕生する”と希望を持たせているけど、まぁ、恐竜はほろびる運命というのには同感だけど、次に栄える哺乳類(産業)が出てくるのかが全く見えないのと、次が出てくるまでの痛みは全部下っ端がかぶるんだろうなぁ…と暗澹たる気分になる…
電機メーカーの経営者も当然この本読んでるだろうけど、サラリーマン経営者じゃ立て直しは絶対無理だろうなぁ…
電機メーカーに勤める若い人は、変化を恐れず哺乳類を目指すしかないと思う。
ラベル:本/マンガ
ところで、4Kが受信できない4Kディスプレーが盛んに売られていますねぇ。なんだかなぁ。
それに、1K用の画像処理をして、液晶板だけ2Kテレビもあるし…。
4Kは試験放送が始まったばかりで実用放送は来年ですからねぇ…
オリンピックが終わった2021年頃が書い時ですかねぇ…(だいぶバックライトの輝度が落ちてきてるからそれまでもつかなぁ…)
でも4,50インチ程度のTVに4Kはオーバースペックだと思うし、解像度より放送局側のエンコード品質を改善して欲しいものです。現状fullHDの解像度すら使いきれてないと思います。
LEDはなぜかメーカー発表の実用時間は短いみたいだし。